心房細動・抗凝固療法Atrial fibrillation
心房細動とは?
臓器(脳・筋肉等)は、ごく弱い電気で動いています。
心臓の場合、上下四つの部屋(上に 2 部屋、下に 2 部屋)があり、正常の場合上から下へ弱い電気が流れています。
心房細動という病気は発作性と慢性がありますが、心房(上の 2 部屋)が痙攣をおこしている状態で電気がうまく心室(下の 2 部屋)に伝わらず脈がバラバラな状態をいいます。
自覚症状としては人さまざまです(全身の力がぬける・動悸・胸の圧迫感等)。
しかし心房細動になると正常な心臓の働きがあった方でその力は 60%に低下します。
高齢者・心臓の病気をおもちの方はさらに低下し前記症状の程度が強くでます。
心房細動での死亡はまれですが、脈の規律がとれていない状態ですから脈が極端に遅くなれば失神発作があったり、逆に極端に早くなると狭心症などがみられます。
また、大事なことは心房(上の 2 部屋)が働いていないわけですからその中の血液がよどんできます。
場合によっては血の固まりをつくり心臓から出ていって心源性血栓性脳塞栓症(半身不随になる「脳梗塞」即ち「脳塞栓症」)という病気をひきおこします。
しかし、心房細動が早期の場合、薬又は電気ショックでほとんど正常に戻ります。
ただ、お薬を飲んで頂いている方でも発作を頻繁に起こされる方、慢性になり治らない方は血栓を作らないように血液をさらさらにする薬を飲んで頂き脳塞栓の予防をすることが必要です。
ワーファリン(抗凝固療法)について
目的 | このお薬は、血液を固まりにくくして、心臓、脳や全身の血管の中に血栓をつくらないために使用します。 |
管理 |
外来を受診された時に、PT-INR(血液のさらさら度)という血液検査を行い、その結果でお薬の量を決定します。
毎日、決められた量を大体決まった時間に飲みましょう。 ※御自身の判断で内服を中止したり、量を変えたりしますと、効き目がなくなったり、また逆に効きすぎて、次にあげるような出血傾向がみられます。 |
注意事項 |
1.出血しやすくなります。(ふつうの出血ならば、圧迫で血はとまります。)歯ぐきからの出血、切り傷など血がとまるのに時間がかかります。 〜以下の症状があったら、すぐに御連絡下さい〜 ・鼻血・黒っぽい便が出る・頭痛や吐き気がある ・軽い打撲で青あざができ広がってゆくなど 2.歯科・眼科等の他の病院を受診される時は、前もって御連絡下さい。また、受診先の先生にも、ワーファリンを内服していることをお伝え下さい。 3.市販薬、健康食品の中には、ワーファリンの効果を高めすぎたり、逆に効きめをへらすものもあります。使用される前に必ず主治医に御相談下さい。 4.食物の中で、特に納豆・青汁・やまいも・クロレラ等はワーファリンの効果を弱めますので、絶対に食べないで下さい。尚、他の豆製品については特に問題ありません。 |